葵祭

令和4年度の葵祭の行事:路頭の儀≒行列、斎王代列禊の儀は新型コロナウィルス感染症対策でした。が、例年は優雅な行列が見られます。令和5年はどうでしょう?

概要

1番いい季節。とも、人は言う初夏の京都を、雅やかな平安装束の行列が、練り歩く葵祭です。

なんと、今から1500年前から始まったとされ、源氏物語でも光源氏が、行列に。

そこで、場所取り巡って、諍いが...のシーンも。

本来は賀茂御祖神社:下鴨神社と賀茂別雷神社:上賀茂神社の例祭になります。5月初旬から、多くの関連行事すなわち前儀が繰り広げられ、5月15日には、約8kmにわたる距離を、平安装束の人々が練り歩き、まさに京都!な風情です。

特徴

行列の多くの箇所で、緑の葉が揺れています。

この葵祭の葵は、路頭の儀イコール行列の供奉者の衣冠・御所車・勅使...などなどに、飾られています。

これは、葵桂(あおいかつら・きっけい)と言われ、桂の小枝に下鴨神社と上賀茂神社の神紋:二葉葵の葉を絡ませたモノ。

そう、葵祭は本来、賀茂祭と言う名称でしたが、江戸時代、いったん廃れた祭が再興された際に葵の葉を飾る様になって、葵祭と呼ばれ出しました。

この様に祭で使われる葵は、毎年両神社から御所にも納められているんです。

 平安朝の装束 が、二葉葵と桂 に飾られ、優雅です。

葵祭の見どころ

天皇の使者を意味する勅使が、下賀茂・上賀茂の両神社に参向する行列:路頭の儀です。

いにしえの姿そのままの近衛使:勅使代を先頭に、検非違使・内蔵使・山城使・牛車・風流傘・斎王代と連なり、なんと!馬36頭・牛4頭・500余名規模の行列なんですよ。

これが京都御所建礼門前を出発し、平安王朝絵巻絵巻がさながら目の前に出現します。

この平安貴族になった人々の行列こそ、葵祭の見どころなんですよ。 日本文化の、起源となった優雅さを感じられる平安貴族の衣裳は、インスタ映えどころでは、ありません。SNSにアップしたら、アクセスはうなぎのぼりです。

有料観覧席

そんな路頭の儀を、落ち着いてゆっくりと鑑賞できるポイント毎に、設置されています。

行列出発地点である京都御苑、新緑の下鴨神社参道の2ヶ所です。

なんてったって、行列≒路頭の儀は、総勢500名にも!あ、時代祭は、平安−維新っまでで2000人ですが...これは平安時代だけですからね。

座って、落ち着いて見学したいじゃあ、ないですか?

道具類にも注目!見事な装飾

飾られた御所車・風流傘 が、見事で、多くのブログやSNSにアップされていますよ。それくらい葵祭行列の見せ場の1つなんです。

御所車≒牛車なんですが...古典文学では見聞きするものの、リアルに近くで見ると、相当な迫力があるんですよね。 藤の花の装飾を揺らしながら、車輪を回してゆっくり進みます。

風流傘は、これまた、お花で飾り付けられていて、かなり大きな傘も見所ですよ。 また、大きな傘の上に、牡丹や杜若などの花を飾り付けているのは風流傘。このほか、行列には、さまざまな道具類が登場します。

葵祭のヒロインの斎王代

十二単衣、正式名は五衣裳唐衣(いつつぎぬものからぎぬ)で、垂髪(おすべらかし)の髪に、心葉(こころば。あの雛人形の金属製の飾りですね。)を頂きに付けて、額の両側から飾り紐:日蔭糸(ひかげのいと)を下げ、平安時代の白塗りにお歯黒までして、手に桧扇(ひおうぎ)を持って、紅色の帖紙(たとう)を懐に入れています。令和の即位礼で、女性皇族が、まとっていた衣装。あんな感じです。

腰輿(およよ)と呼ばれる輿に乗る斎王代は、葵祭のヒロインです。

元は、伊勢神宮に、天皇の代毎に奉仕する斎王と言うお役目の皇女です。なんと!崇神天皇。歴史では、あまりやらない日本書紀の時代の天皇からですよ。ほら、今でも、降嫁した元女性皇族が、伊勢神宮の祭主になって、ご奉仕していますよね?今は黒田清子さんですが、斎王が起源です。

平安時代はリアルに内親王が斎王として祭に奉仕...でしたが、鎌倉時代に一旦途絶えてしまったんです。

それが昭和31年(1956年)、葵祭を盛り上げる為、市民から斎王代が選出され、ついで女人列も復活です。

市民から選ばれたヒロインが女人列の中心に成りました。これには、色んなエピソードがあって...斎王代に選ばれるのは、大変に名誉なんですが、条件が名家・茶道をやっている・華道をやっている・日舞をやっている、とかなりハードルが高いんですよ。で、これにハズれたお宅の書込みか?!今年の斎王代は○スや。とか、イケズな言葉がネットにある位。それくらい、今やステータスのある役になってしまいました。

前儀の、勇壮な流鏑馬神事も見ものです。

まだまだ繰り広げられる神事

前儀と言って鏑馬神事などの神事も、見どころです。 平安装束の行列が、素敵な葵祭なんですが。ほかにも、多くの行事が見られます。5月1日の競馬足汰式(くらべうまあしぞろえしき)、5月3日の流鏑馬(やぶさめ)神事、5月4日の斎王代女人列御禊神事、前儀と呼ばれる多くの儀式が、下鴨神社及び上賀茂神社で見られます。

葵祭りには着物で

京都には多くのレンタルショップがあるんで、手ぶらで行っても着物スタイルが完成します。祇園祭の時ほど、まだ暑くはないので、繰り出してみて下さい。